装飾美術の年表 1750-1990
― 浮世絵からアール・デコまで、「魅せる美」240年
江戸の浮世絵黄金期に始まり、ジャポニスムの波がパリへ渡り、アール・ヌーヴォー、ウィーン分離派、アール・デコ、そして戦後アメリカのピンナップへ ―― MUSEが扱う「官能と装飾の美術史」は、実は1本の川のようにつながっています。各項目のリンクから、代表作の詳細解説へ移動できます。
Ⅰ. 江戸浮世絵の黄金期(1750s-1850s)
平和が続いた江戸で、庶民が買える多色刷り版画「錦絵」が爆発的に発展。美人画・役者絵・風景画のスターが次々に生まれた。
1753頃
喜多川歌麿、生まれる(美人大首絵の第一人者に)
1760
葛飾北斎、江戸に生まれる
1797
歌川広重、生まれる
1806
歌麿、没
1831頃
北斎『富嶽三十六景』刊行開始。『神奈川沖浪裏』が生まれる(徹底解説)世界で最も有名な波
1833頃
広重『東海道五十三次』刊行開始(北斎との違い)
1849
北斎、没(89歳)。「あと10年生きられたら真の絵師になれた」の言葉を残す
Ⅱ. ジャポニスムの波(1860s-1890s)
開国後、浮世絵がヨーロッパへ大量流出。平面的な色面・大胆な構図・輪郭線が印象派と世紀末の画家たちに衝撃を与えた。
Ⅲ. アール・ヌーヴォーとベル・エポック(1890-1910)
「新しい芸術」を意味する装飾運動が欧州を席巻。植物の曲線・女性像・工芸との融合。パリの街頭ではポスターが芸術になった。
1891
ロートレック『ムーラン・ルージュ:ラ・グーリュ』― ポスターが芸術になった瞬間(徹底解説)ポスター革命
1894
ミュシャ、サラ・ベルナールの『ジスモンダ』ポスターを制作。一夜にして時の人へ(徹底解説・ロートレックとの違い)
1896
ミュシャ『四季』連作 ― 春夏秋冬を女神として描く(徹底解説)
1900
パリ万国博覧会。ルネ・ラリックのジュエリーが絶賛される(ラリックのガラス工芸)
1901
ロートレック、36歳で没
Ⅳ. ウィーン分離派と黄金様式(1897-1918)
クリムトを初代会長にウィーン分離派が結成。「時代にはその芸術を、芸術には自由を」。金箔と官能の黄金時代が花開く。
Ⅴ. アール・デコと機械時代(1920s-1930s)
曲線から直線へ、植物から幾何学へ。大戦後の高揚と機械文明を映す様式が、絵画から摩天楼までを貫いた。
1920s
エルテが『Harper's Bazaar』の表紙を飾り続ける(エルテのファッション画)
1930
クライスラービル完成 ― アール・デコ建築の頂点(徹底解説)
1939
ミュシャ、故郷チェコで没。晩年約20年を『スラブ叙事詩』に捧げた
Ⅵ. ピンナップとその後(1940s-1990)
装飾美術のバトンはアメリカへ。雑誌と広告の時代、明朗なグラマーが大衆文化の「魅せる美」を更新した。
1940s
ヴァルガスが『エスクァイア』誌で「ヴァルガス・ガール」を連載(ピンナップ・アート史)Pin-up
1950s
ジル・エルヴグレンの黄金期 ― 広告ピンナップの完成形(徹底解説)
1960s-
ヘルムート・ニュートンがファッション写真に官能と緊張を持ち込む(徹底解説)
1980
レンピッカ没
1990
エルテ没(97歳)― アール・デコの生き証人が世を去り、装飾美術の一時代が完結
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